sozoro nikki

そぞろ日記

市原歴史博物館と上総国分尼寺跡

先週の三連休の中日に、千葉県市原市にある、市原歴史博物館に行ってきました。

去年、市原市の埋蔵文化センターが全面リニューアルして新しい博物館になったと聞いて、興味を持ちまして。

 

さすが規模の大きな市の博物館、一般的な市立博物館のレベルを超えています。

現在の市原市は、古代上総国国府があった地域なので、遺跡や遺物も多いんですね。

https://www.imuseum.jp/

 

館内が撮影可だったのかわからなかったので、写真は撮りませんでしたが、展示も充実していました。

原始古代から近代までの展示物がありますが、やはり古代が充実しています。

なかでも、やっぱり市内の稲荷台古墳から出土した、「王賜」の文字が刻まれた鉄剣は別格扱い。 

稲荷台1号墳 - Wikipedia

 

博物館に展示されてあるのは、本物です!

(長らく国立歴史民俗博物館・千葉県佐倉市、にあったそうですが)

「王」が誰かを推定するパネルも見応えがあり、土器などの形式も含めてかんがえると、允恭天皇じゃないか、ということでした。

(埼玉県の稲荷山古墳出土の鉄剣は雄略天皇下賜ということがほぼ確定していますが、その父世代の時代も東国と密接な関係を築こうとしていたのかもしれません)

 

本館は、じっくり見てまわると一時間以上かかる立派な施設となっておりました(^^)

休日とあってか、昼前後の駐車場はほぼ満車でした。

 

となりの歴史体験館に行ってみます。

 

体育館のような建物に、発掘現場を模したものや復元した古代住居、古墳などがあって、おもしろい場所だなあ〜と…

 

 

古墳が造られたときは、こういう状態だったんだよ、ということでしょうか。

今は、木がぼーぼーに生えてる古墳が多いですからね。

 

歴史博物館を堪能したあとは、市原市の中心部方面に向かい、展示館があるという上総国分尼寺に行ってみました。

上総国分尼寺跡 - Wikipedia

 

国分寺国分僧寺)でも、このような展示館があるところはあんまりないとおもうのですが、国分尼寺で小さいながらもあるというのは、全国でも稀有ではないかと。

長らく千葉県に住んでいますが全然知りませんでした^^;

 

どうも、発掘調査したとき、伽藍や付属施設が整った形で発見されたので、保存しようということになったようです。

学芸員のかたも常駐していて、正確なジオラマと伽藍の説明音声もわかりやすく、見応えがありました。

この国分尼寺の発掘によって、国分尼寺国分寺の付属物ではなく、ちゃんとした独立した施設だったということが明らかになったそうです。

 

展示館は平成5年度にできたということで、もう30年ほど経ち、古さはかんじられますが、財政が許せばリニューアルして残していってもらいたいとおもいます。

 

最初は、見学者のほうを向いていた伽藍のジオラマの正面が、実際の東西南北の方向を向くよう回転したとき(ここのジオラマは回転します!)、ジオラマの向こうにある展示館の磨りガラス?がクリアになり、外にある復元回廊を一望できる仕掛けに、ちょっと圧倒されました。

 

言葉で説明しにくいのですが、ジオラマが回転したら、

館内からこの光景が見られるということです。

 

あんまり期待しないで行ったので、駆け足で見学したから、もう一度じっくり行ってみたいところです。

 

回廊と中門が再現されております。

 

 

おお、なかなか天平っぽい光景!

 

こういうの、奈良に行かないと見られないのかとおもっていました〜

 

経文を収納していた建物のあとだそうです。

 

とにかくひろい。

今は開発されていますが、発掘した当初は台地の上の雑木林?だったらしく。

 

国分尼寺が造られたころ(奈良時代)は、まだまだ仏教が庶民に根付いていなかったので、創建のおふれを出しても、なかなか地方の腰は重かったようです。

 

上総国分寺のほうは、現在江戸時代につくられた”国分寺”があって、このような施設はないということで、今回はまわりを車で見るだけにしました^^;

でも、なんでも当時は七重の塔が建っていたらしい…

国分尼寺に塔はない、のだそうです。